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不安 子育て 抱える osakashinri

子育てシリーズ「心を抱えること」

 子どもは、自分一人では対処できない不安や困難に直面したとき、周囲の大人に一緒に考えてもらい、その不安を一時的に「抱えてもらう」ことで困難を乗り切ろうとします。

 子どもが苦しい思いをしているのを見ると、それを見守る大人もまた心が痛むものです。そんな時、まずは大人が自分自身の混乱や痛みを心の中に留め、少しずつ消化していくことが大切です。大人の「抱える」姿に接することで、子どもは自分の混乱に持ちこたえられるようになり、時にはそれを成長のための糧として体験することさえ可能になります。こうした経験を積み重ねる中で、子どもは大人の成熟した心の機能を自分の中に取り入れ、少しずつ一人で困難に対処する力を育んでいくのです。

 一方で、子どもが他の子と同じようにできなかったり、友人関係でつまずいたりする場面を目の当たりにすると、親も強い不安に駆られます。「この先どうなるんだろう?」「早く直してあげなきゃ」と焦る気持ちは、それだけ一生懸命に子どもの将来を考えているからなのかもしれません。

 しかし、大人側の不安が大きくなりすぎると、その焦りは無意識に子どもへと伝わります。すると子どもは「できない自分はダメな子なんだ」と自分を否定的に捉えてしまうかもしれません。大人の抱く不安を、子どもが重荷として受け取ってしまうのは、とても切ないことです。

 大人自身の心に湧き上がる不安(それは子どもの不安の投影かもしれません)を、言葉や行動に移す前に、まずは自分の中で一旦「抱えて」振り返ってみることが大事かもしれません。不安に支配されている時は「できない側面」ばかりが目に付きますが、落ち着いて眺めてみると、子どもなりに精一杯取り組んでいる姿が見えてくるはずです。

 大人が不安を抱えながらも、子どもの「頑張り」や「安心できる側面」を探索していく。そのプロセスで生まれる大人の安心感は、無意識のうちに子どもへと伝わっていきます。子どもは大人に不安を受け止められ、抱えられ、そこから自分が対処できるだけの不安や感情を受け取ることで、自分なりに歩みを進めることができるのです。

大阪心理臨床研究所セラピスト 2026年4月14日